より善きババアへの道

ひねくれオタク女が唯一の強みである「若さ」を失った後にもこの世に居場所を見出すため孤軍奮闘する日々。

This is love

前回のエントリで前田のあっちゃんが神々しいって話を書いた。
まさか昨日一昨日と27時間テレビをみながらまた似たようなことを思うとは。
SMAP様、最高に神々しかった。

私が物心ついたころ、もうSMAPはトップアイドルだった。
家族で乗る車のラジオからはいつも曲が流れてたし、
学校では慎吾ママのおはロックを歌ったり踊ったりリコーダーで吹いたりしたし、
いとこはキムタクのドラマを録画しまくってたし、
給食の時に「俺の胃袋は宇宙だ」とかやったりしてた。宮沢りえ可愛かったなあ。
そう言えば、妹が生まれた時、中居君のドラマをみてた。確か「伝説の教師」。オレはタナBだ!の回だった。
なんだかよくわからなかったけど、スマスマは大人のテレビって感じがしてて、ロート製薬のあのCMが流れると早く寝ないと!と焦った記憶がある。ウィームーッシュってなに?と親に聞いた記憶もある。

当たり前にずっとテレビの中にいた人たちだから、結成何年とか、メンバーが何才だとか全然気にしてこなかったけど、27周年なんだってね。中居君ってもう40歳超えてるんだってね。
そりゃ私の記憶にずっとSMAPいるわな。私が生まれるよりも前にSMAPだったんだもん。
それで今でも第一線張ってるんだから、化け物だよな、あのおっさんたち。

実はちょっと前まで、SMAPが苦手だった。
子供の頃は良くテレビでみてて、当たり前の存在だから好きも嫌いもなかったんだけど、思春期に入って、周りの人たちとの好きなものの違いが際立って、ドラマとかそういうのが苦手になったのがきっかけなのかな、なんとなーく、こっち側じゃなくあっち側を楽しませる人、みたいな認識になった。
私が楽しいなーってことはしてくれないんだろうな、って感覚。
テレビで見るちょっとすかした感じとか、悪ノリする感じとか、怖いなーって思うようになった。
いわゆる、リア充の嗜好品なんだろうと思ってたんだよね、今考えると。

それが変わるきっかけは、ネットでも超話題になってた、スマスマの「SMAP五人旅」。
もうAKBにもはまった後だし、ジャニーズ好き!って軽い気持ちで言えるようになってたから何と無くみれてた。
今や同じ番組に全員揃うことすら珍しい五人が、なんと、サプライズで一泊2日の旅行をするっていう企画。嫌そうな顔をしながら用意された車に乗り込む五人をみて、芸能人って大変だなーとぼんやり考えた。つよぽんと慎吾ちゃんは仲良いけど、基本的に仲悪い人たちだって聞いたことあったし。
でも大阪でスーパースターがふっつーの鉄板焼き屋に入ってご飯食べたり、USJにいったり、温泉入ったりするのは面白かった。オールキャラの同人誌とか、シリーズ混合のお祭りゲームとかをみているような気分だった。
その上夜にはカラオケに行って、酒飲んでうだうだし始めるの。国民的アイドルが本当にただのおっさんみたいなことしてて、不覚にも萌えた。でもつよぽんはひとり烏龍茶を飲んでて、その辺はやっぱりプロだ。
そしたらSMAPメドレーが始まって、なんのきっかけかBest friend歌い始めて、嘘みたいに中居君が号泣し始めた。森君が脱退した時のことを思い出すとかなんとか。
面白がってみんなして何度も何度も同じ曲歌って、中居君はずっと泣いてた。そして何回も、「俺SMAP守れる絶対守る」とくりかえしてた。
お調子者で、悪ノリがひどくて、横暴で、声が大きくて田舎のヤンキーそのまんまの中居君が漫画みたいに泣く姿に、思わず私ももらい泣きした。
SMAPのことなんて、もうなくてもいいと考えてる人だと思ってたのになあ。グループがなくても余裕で芸能界生きられる人のはずなのに、彼にとってSMAPは何をしても何があっても守りたいものなんだと知ったらもう、泣くしかないよね。嵐みたいに仲良しこよしなわけじゃない。AKBみたいにグループがないと夢が叶えられないわけでもない。
それなのに、中居君はSMAPを守ってる。

そんな中居君率いるSMAPは、先日の27時間テレビで45分03秒ノンストップライブに挑んだ。
それまで飛び飛びで、相変わらずつまんねーなーなんて愚痴りながらみてたけど、さすがにリモコンをいじる手を止めた。
もう一日寝てないのに、ライブすんの?45分?は?しかもノンストップ?
いやー、無理でしょ、が第一印象。バンドだってMCやったり、一幕二幕区切るとかして二時間やって最高に体力消耗するのに。踊るんだよ、アイドルだから。歌はまあ、被せだとして。
それと同時に、でもまあ、押しも押されぬSMAP様だから、ちょっとフリを甘くしたりバラードで時間稼いだりしてそつなく終えちゃうんだろうな、とも思った。というか、最悪生中継と歌った録画じゃないかね、とも。

始まったらもう、そんなこと考えてた自分が恥ずかしくなった。

もうね、激しい曲がずっと続くの、ノンストップで。中居君なんか最初からキレキレで、みてて怖かった。どっからそんな体力出てくるのかわからなかった。
どうせ歌も〜なんて思ってたけど、少なくともソロパートがある部分はメンバーがその場で歌ってる音だった。マイクがちゃんと入ってる。かがんだり飲み物をとる時に、マイクが何にぶつかった音がテレビから聞こえる。SMAP、マジで歌って踊ってる。鳥肌たちまくりだった。
アップテンポでダンスがハードな曲が続いて人気曲のメドレーも挟んで、それでも残り時間は30分。
この辺からもうみてられなかった。
45分長すぎる。ノンストップがノンストップすぎる。水を飲む暇もほとんどない。
そうこうしているうちに、中居君がふっと位置を外れたり動かなくなりし出した。肩でいきをしながら、しゃがみこんだり水を飲んでる姿が目立ちだした。
ボロボロな中居君の背中を誰かが優しく支える。ごろうちゃんだった。ずっとずっと横目で気にしてる。
もういいよ!やめようよ!!テレビに向かって訴えてしまう。
もう十分かっこよかったし、SMAPの曲たくさん聞きたくなったし、感動した。私でさえこうなんだから、きっとSMAPファンの人たちは息もできなかっただろう。
でも、他のメンバーは汗を飛び散らせてキラキラした笑顔で踊ってる。気づいたら中居君も戻ってきててセンターでキレキレダンスしてる。
ここまで彼らを突き動かすものってなんなんだろう。
飛び散る汗と、オーラの量が半端じゃない。オーラの泉どころじゃない。吹き出してる。石油みたいに。
後半に差し掛かって始まるCrazy five  。ライブで定番らしいこの曲は、メンバーたちが順繰りバトンを渡すようにパートを回していくメンバー紹介曲。こういうの、他のジャニーズのグループでもあるのかな。あるんだったらすごく聞いてみたい。
まず、中居君からキムタク(!)へ、キムタクからつよぽんへ、ツヨポンからごろうちゃん、ごろうちゃんから慎吾ちゃん、そして慎吾ちゃんから中居君へ。
大サビ前にはつよぽんのソロパート。メンバー四人に囲まれて、その両肩に手をかけられながら歌い出す。「過ちをおかし続け それでも信じてた……」。つよぽんの瞳が涙に潤む。

もうダメだってこういうの、好きになっちゃうじゃん!!!!!!
というか好きになっちゃったじゃん!!!!!!!やめて!!!しんごー!!しんごーーーーー!!!!!

何が恐ろしいって、後から調べてみたら、作詞、中居くんなんですってね。SMAP愛に溢れまくってて辛い。

最高潮の盛り上がりのままセットリストは終わりに近づいていく。
最後から二曲目、Best friendではやっぱり中居君がないていた。苦しいからか、その曲だからかわからないけど、たまに映る帽子の下の顔はぐしゃぐしゃだった。

45分03秒のライブをやり切ったSMAPを待っていたのは、このまま歩いてフジテレビ社屋にもどれという指令と、脱退したメンバー森君からの手紙だった。
一人一人へメッセージがあって、順番に読まれていく。
いつも目が笑ってなくて感情が全然読めない慎吾君の目が、慎吾君宛のメッセージが読まれている最中は揺れてたのが、すごく印象的だった。
木村並んで行こうぜ、と声をかける中居君をガン無視してずんずん進んでいくキムタクが、なんだかんだ最終的には五人横並びになって歩いているのにはきゅんとした。

そんな感じでSMAP様たちの27時間テレビは幕を閉じた。

定期的に解散説の出るSMAPだけど、きっと解散はしないんだろうな、と思わせる27時間だった。
慎吾くん曰く、初めて解散話が持ち上がったのは、森君脱退の時だったそうだ。それもなんと中居君から、「もう解散しようか」という言葉がこぼれたらしい。
今やトップスターなSMAPだけど、ここまで来る道のりは平坦ではなくて、むしろ困難の方が多かった。それでも続けて、現在に至ったSMAPの物語が、神話でなかったらなんなんだろう。

アイドルってすごい。生身の人間が現実の時間を使って現実を舞台に物語を見せてくれる。
女優俳優お笑い芸人、芸能人って色々な人がいるけれど物語を体現できるのはアイドルという人種だけじゃないかな。絶対的に演者で、あっち側の世界の住人。それがアイドル。

ともかく、この土日でSMAPを見る目がまるっきり変わってしまいました。
SMAP様は分け隔てなく全てを楽しませてくださることにきがつきました。
早速今夜からHEROみてキムタク様に狂いたいと思います。

愛って、ベタベタするだけが愛じゃないんですね。